30年以上のプロ生活を支えた山本昌のこだわり

最終更新日 2018年1月15日 by tonton

1983年のドラフト5位で入団した山本昌

1983年のドラフト5位で入団後、2015年に引退をするまで30年以上にわたって活躍し通算219勝という記録を残した山本昌さんはこだわりの持ち主です。

例えば山本昌という登録名は山本姓の選手が入団したことでスコアボードに表記する際に昌の文字をつけたことが始まりです。

その後、その選手が退団してから本来であれば戻すこともできたのに登録名を変更してまで使い続けています。

これは験を担ぐ意味合いが強く、この名前で多くの人が認識するほど浸透しています。

他にも様々なこだわりを持っており、そうしたこだわりが長いプロ生活を支えてきたと言えます。

他のこだわりには背番号があります。

背番号34はその当時の空き番号を83年のドラフトで選ばれた選手の順位順に当てはめていっただけという単純なものでした。

後に活躍し、エースナンバーと呼ばれる背番号への打診を受けましたがこの背番号でプロ生活を通してきたという理由で拒否し背番号34を通しています。

背番号へのこだわりは有名選手に多く、51や55という数字を見ただけですぐに特定のプロ野球選手を連想させるほど浸透しており背番号34なら山本昌を思い浮かぶという人も結構います。

ただ永久欠番になることも固辞するなど、固有のものにはさせたくないという思いも見え隠れしています。

験を担ぐことが大好きな山本昌さんは身長や体重でも験を担いでいます。

身長こそ変化しませんが体重はかなり変化します。

そのため、本来であれば結構変わるものですがそれを全く変えないのも特徴です。

公称では186センチ87キロなのに、実際は188センチ98キロになっており明らかに違っていた時期もあります。

しかしあくまでも験を担ぐ意味合いが強く、変更はしないと決めています。

現役引退後のプロフィールは身長は188センチになっていますが、体重は87キロのままです。

引退してからも変えないところは変えないというこだわりもまた特徴的です。

ルーティンというものを大事にする選手

そうした意味ではルーティンというものを大事にする選手でもありました。

当時のセリーグは予告先発はなく、マスコミとしては誰が先発なのかを調べることが大事でした。

その時に注目されたのが昼食です。

山本昌さんは当時先発の日にはカレーを食べていました。

しかもホームとビジターで食べる時間を決めて、その時にカレーをたくさん食べることをルーティンにしていました。

試合前は緊張で何も食べられないことが理由であり、これを現役中はずっと続けていましたがあまりに決まりきっていたため誰もがそのことを知っていたという逸話が残っています。

山本昌さんはストレートのスピードが130キロ台のまま現役時代を過ごしており、最高でも143キロでした。

そんな中でこだわりを持っていた球種もまたストレートでした。

はっきり言えば遅い球速でもがんばれた背景には球の回転数が関係しています。

球の回転数が多いと投げ始めからミットに届くまでの落差があまりありません。

そのため、手元に来るタイミングでは球速以上の速さを感じます。

この回転数の多さは日本の投手のトップレベルにあったと言われています。

その回転数を支えていたのがキャッチボールでした。

キャンプに関してもこだわりを持っています。

日本のキャンプはとても長く1ヶ月程度続きます。

アメリカはその期間が短いため、果たして本当にそこまで必要なのかと疑問に持つ人が多いです。

しかし頑張ってやれる期間は短いとして、みっちり練習を行うことは必要であると主張しています。

またメジャーリーグの下部組織のマイナーリーグで投げていたこともあり、メジャーへの意識は強そうに見えますが実際はそんなこともありません。

こだわりを強く持つものはある一方、さっぱりしている部分もあってそのあたりはメリハリがあります。

趣味のこだわりが強いことでも知られている

趣味のこだわりも強く、1度のめり込んだらとことん追求することは誰もが知る事実です。

ただ何かをきっかけにしてきっぱりとやめるのもまた特徴的です。

特にカブトムシやクワガタに関してはすごく、飼育する量が多すぎて知り合いに譲るほど持っていました。

ところがシーズンの成績がよくなかったことを理由にあれだけ持っていたカブトムシなどをすべて知り合いに譲って飼育をやめてしまいました。

ラジコンも同様で、自分で大会を主催するほどだったのにそれもきっぱりやめています。

こだわりを持つ時とそのこだわりを捨てる時の差が激しいのもここまで長いプロ生活を支えた可能性があります。

ルーティンを持つことでスランプを防ぐということを主張する人がいるように、こだわりがたくさんある人はそれだけルーティンがありスランプを防げることが考えられます。

そうした意味では大きなスランプもなく、それでいて致命的なケガに泣かされることもなく続けてこられたのは素晴らしいことです。

プロ最年長記録を数多く更新し、ノーヒットノーランも40歳代で経験していますが進化が40歳以降も続いたのはこうしたこだわりのおかげです。

 

関連リンク

山本昌さんのブログ